《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
シュサイラスアはこの世界で一番の平和を誇り、他国から流れてくる者も多い人気の国だ。その国の継ぎ目の王子が未だ正妃は愚か側室も決まってないとなれば、各地の令嬢または他国の姫などから寄せられる縁談の申請は途切れる事を知らない。
「何を呑気に仰っているのです。陛下が貴方様の御歳の頃には、既にイリアーナ様がお産まれになっておりましたぞ」
「父上は父上だろ? そんな事より、ジュリとリーナは元気なのか?」
もうその話はお終いと言わんばかりにラインアーサは話題を変えた。ジュストベルが大きく溜息をつく。
「私の孫めが元気かどうかなど、ご自分の目でお確かめくださいませ……しかしその前に、今の貴方様に必要なのは睡眠かと。お見かけしたところ体調がだいぶ優れない様ですが?」
「は? ……睡眠!? 俺、今起きたばかりなんだけど…?」
「存じております」
確かに頭痛は先程よりも酷くなり、身体の倦怠感に身を任せても良いのなら正直寝て居たい所だが、実際はそうもいかない。本日の公務をこなさなくてはならない。
「このくらい。自分ですぐに治せるよ」
「全く。本当に、分かられておりませんな」
「何を呑気に仰っているのです。陛下が貴方様の御歳の頃には、既にイリアーナ様がお産まれになっておりましたぞ」
「父上は父上だろ? そんな事より、ジュリとリーナは元気なのか?」
もうその話はお終いと言わんばかりにラインアーサは話題を変えた。ジュストベルが大きく溜息をつく。
「私の孫めが元気かどうかなど、ご自分の目でお確かめくださいませ……しかしその前に、今の貴方様に必要なのは睡眠かと。お見かけしたところ体調がだいぶ優れない様ですが?」
「は? ……睡眠!? 俺、今起きたばかりなんだけど…?」
「存じております」
確かに頭痛は先程よりも酷くなり、身体の倦怠感に身を任せても良いのなら正直寝て居たい所だが、実際はそうもいかない。本日の公務をこなさなくてはならない。
「このくらい。自分ですぐに治せるよ」
「全く。本当に、分かられておりませんな」