15歳、アンタとワタシ



「…自信もてよ。サキコの明るい性格ならどこでもやっていけるだろ。
まぁ、自分の思ってること溜め込んで、関係ないのに俺にキレてくるとこは治した方がいいけどな」


悪戯っぽく、アラタが笑う。
幼い頃から友人とうまくいかない時、ヘラヘラ笑って自分の思いに蓋をするのは、私の悪い癖だ。
そして、また、悩みのなさそうに見えるアラタが話しかけてくるだけで突っかかって突然キレたりしていた。


アラタは、私を知っているーー

涙が目に溜まって行くのを止めることが出来なかった。



「高校生になったら携帯だって持てる。あ、サキコ、ガラケーなんて持つなよ。スマホ買ってもらえ。LINEって知ってるか?無料で電話も出来るし、便利なんだぞ」


アラタだって持っていないくせに、さも自分も持っているかのように話すから、無理矢理笑って頷いた。


「…ばか。泣くなよ。俺がいるだろ」

ブンブンと、首がとれてしまうほど頷いた。




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