15歳、アンタとワタシ
アラタに対しての気持ちは恋ではない。
アラタも私に恋なんかしていない。
けれど、なぜだろうーー
とても愛おしいのは。
何なのだろうーー
彼を愛するという気持ちは。
「寒い…サキコ、帰ろ」
「…ん」
家族以外から初めてもらって大きな愛。
「ずっと、幼馴染ってこと、変わらないよね?」
「当たり前だろーが」
それはとても温かく、力強い。
「アンタに彼女出来ても、私とLINE、してくれる?」
「当たり前だろーが」
そして、とても安心する。
「アラタ…?」
「ん?」
その愛はきっと、いつまでも変わらない。
私はアラタにたくさんの愛をもらい、きっと私もたくさんの愛を彼に捧げた。
恋じゃないのに、愛おしい。
なぜ?ーー
「ありがとう」
それはきっと、初めて会った赤ちゃんの時からの無償の愛ーー
これからも、ずっと…
ずっと変わることのない、愛ーー
ーーありがとう、アラタ。
ー完結ー