15歳、アンタとワタシ



錆びてしまったブランコに座ったアラタは「錆び臭えな」と一言呟いた。


空には星が現れる。初冬の夜が来る。
澄んだ空に浮かぶ星は、とても綺麗だった。


「…俺、帰るけど?」
「うん、私も帰る」

カシャンーと、音を鳴らしてブランコを降り、私の隣を歩くアラタに安心感を覚える。
帰るタイミングを見失った私に、アラタはごく自然に家に帰れるよう導いてくれる。


五階建ての二階。
階段も生まれた時より朽ちていて、コンクリートの色が少し変化していた。
ジジジ…と、音を鳴らす蛍光灯も古さを物語る。


隣同士の私とアラタ。
「じゃあな」と背を向けて、家に入ったアラタを見届けて、私もまた重たい扉を開いた。





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