15歳、アンタとワタシ
お金もないのに、広くもない街をブラブラしていたものだからすぐに行く場所を失う。
中学の入学祝いに買ってもらったスケルトンのG-SHOCKで時間を確認すると、午後7時をまわろうとしていた。
こんな時、大人なら友人に携帯電話で連絡を取り「ちょっと今日泊めてー」なんて言えるだろう。
けれど、中学三年生の私は携帯電話なんて洒落たものは持っていない。
寒空の下、無性に泣きたくなった。
行き交う人の笑い声に胸が痛い。
どうせ、一人ぼっちーー
行き場のなくした私が向かうのはただ一つ。
社宅アパート敷地内の、あの公園。
暗闇の中、あの公園にいても発見されずらいだろう。安易にそんなことを思う。
外灯の少ない道は、不思議と怖いとは思わなかった。
はぁ。と吐く息は白く、寒空に消えていく。
公園が見えた。
暗がりにある公園は少し不気味だった。
太陽が照らしている時は、そんなこと微塵も思わないのに。
錆びたブランコが揺れている。
そこに一つの人影。
怖いより先に、誰かわかってしまう。
ーーアラタだった。