15歳、アンタとワタシ
無数の星は、初冬の澄んだ空に綺麗に光っていて。
力強く輝く星と、弱いのに懸命に育つ星が様々な場所に散らばっている。
人類、何十億といる中で、きっと私の悩みなんてかなりちっぽけで。
星に例えてみても弱いのに懸命に光っている星ではないと、自分でも分かる。
衣食住が保証され、高校にも行ける。
大学にだって行けるかもしれない。
大学に行って、就職するのなら22歳。
あと10年もない。
「あと、7年…ね」
「は?何が?」
「ん…自立出来る歳よ。長くても7年ね、って」
「ハタチで大人なら、あと5年だろ」
星を見ながらふいに想像する。
あと、5年後、私は父母を許しているだろうか。
あんなこともあったよね、と、笑っているだろうか。
けれど、今、考えることは今のことで。
引っ越し先のこと、カナやアラタ、他の友達、守ってきたもの…全てを手放す勇気はまだない。
「私、自信ない…」
「自信ないなんていうなよ」
真っ直ぐに力強いアラタの顔が、外灯のないこの公園で月明かりに照らされて見えた。