【完】“好きの大きさ”誰にも負けません!!!
その腕は久しぶりで、
壊れ物でも持っているように優しくでも強く抱きしめてくれた。
それがとても安心できて暖かくて、
今までの心の靄(もや)が飛んでいった瞬間だった。
「朝陽くん。」
「ん?」
私の頭に顎を乗せている朝陽くんに私は話しかけた。
「莉子ちゃんとの事は、莉子ちゃんから聞いた……」
「うん。」
「凄く嫌だった。」
「うん。」
「でも、今の朝陽くんを知ってるのは私だけだから。」
そう強く、力強く朝陽くんに言った。
「……んんっ」
そして私の顎をクイッとあげたと思ったら
キスが降ってくる。
甘い甘いキス。
顔が火照っていくのが分かる。