ずるい人
「じゃあ…明日のこの時間の五両目に集合でどうでしょうか…」
何となく敬語になる。
「ん。了解でーす。」
ノリにあわせてですます語で返してきたであろう類君。
なんだろう。
完全に相手にされてないこの寂しい気持ちは。
案外、距離が近づいたと思っていたのは私だけなのかもしれない。
電車がホームに到着して、またいつものように乗り込む。
無言の中、私の心のなかでは、明日への不安と期待が渦巻いていて、なんだか落ち着けなかった。