ずるい人
「えっ…」
電車の中には、私と類君しかいない。
私の頭は真っ白。
大パニックを起こしていた。
(え、えと、これはどう言うこと?
類君が、好き…って、今言ったよね?
いやでも、勘違いって、あるし…)
「─ん~…」
…ああ、そういうことか。
「なんだ、寝言か…」
はあ~…
そうだよ、類君寝てるんだった。
なのに、勝手に一人で舞い上がって、馬鹿みたいだ。
─また振り回された。
無自覚、ってわかってるのに…
きっと、類君にとって私は何でもないんだろうな。
「本気だって、言ったら?」
……………えっ?