ずるい人
はっと気づいたら、類君は顔を真っ赤にしている。
私は、類君の行動に驚いた。
なにも言えないでいると、類君は話し出した。
「ごめん。
いきなりそんなこと言われたら、戸惑うよね。
でも、俺は本気だから。
ちゃんと言うよ。」
言葉を切って、類君は息を吸い込んだ。
「好きです。付き合ってください。」
私は、嬉しすぎて、泣いてしまった。
類君はその涙を指で掬い、
「返事、お願いします…」
と優しく笑った。