ずるい人
「…なんだよ。」
ほらあ、もう~。
類君花梨の剣幕に怯えてるよ。
目がキョドッている…
「一昨日、月が体調悪かったのに、席譲らなかったんだって!?」
類君を見ると、あ!っていう顔をして、気まずそうに視線をずらした。
え、もしかして分かってて無視してたの?
だったらわりとショック。
「…すんません。」
花梨は、はあ、とため息をつき、
「仕方ない、分かってたみたいだし、今回はこれで許してやろうではないか。」
じゃあ、また後でね~。
花梨はそういうと自分の教室に戻っていった。
か、花梨さーーーん!!
どうすんの?これ……
………残された私と類君の間に気まずい沈黙が降りたのは、言うまでもない。