俺しかいない
三人で浴場へ戻ると、更に人の数が増えていて、駿たちを見つけるのは困難かと思えた。
が、心配は無用だった。
駿が大きなシャチの浮きを笑顔でブンブンふりまわしている。
美里のキツい言葉は綺麗な海が忘れさせてくれたらしい。
「お~い!お前ら早く来いよ~!」
「今行くぅ~!」
美里が真っ先に駿の元へ走りよった。
ったく、こいつらは…
俺と華世ちゃんは歩いて向かった。
桜ちゃんは拓哉の隣にいた。
こっちをむいて小さくて真っ白な歯を見せている。
ン~!
やっぱ可愛い~!
俺は相当桜ちゃんにハマってしまったらしい。