俺しかいない
そう、駿は女子寮侵入の常習犯だ。
俺の通ってる宝星学園は男子校。
学園の敷地内に寮がある。
なぜか隣には聖華学園という
綺麗な女子高があった。
これまた全寮制。
もちろん男子禁制。
俺らには手の届かないところにいらっしゃるお方たち。
「この間はのはさ~
警備員のオッサンが懐中電灯の電池切らしてたおかげで
上手くまけたからよかったよ、ほんと」
と駿は改めて胸をなでおろした。
「今日はさ、ベストスポット見つけて来たんだ!
美里の部屋の前の壁!
脆くなっててさ、ヤケだったけど蹴ったら穴開いたんだ!
結構ちっさかったけど、さすが俺!
見事スルリ!」
聞きもしないのによくしゃべる男だ。
「で、美里は俺のお相手も連れてきてくれるんだろうな?」
美里は一年前から駿と付き合いだした聖華生。
俺と拓哉の協力のたまものだ。
美里は駿にはもったいないくらいの美人。
それに駿との身長の差は一目瞭然。
でもそのおかげで、駿は美里の母性本能を見事にキャッチしちまったってわけ。
もう美里も駿もお互いデレデレ。
お熱いこったねぇ。