俺しかいない
「おう!
去年は翔と拓哉に世話んなったからな、いい子二人見つけてくるってさ!
よかったなぁ!
今年こそあっつ~い夏がお前を待ってるぜ!」
バンと俺の背中を叩いて満面の笑みを浮かべる駿。
…羨ましぞこんにゃろー!
「さぁて、どんな子かな~?
俺好みはやっぱ正統派女の子っだな~!」
ドサッとベッドに倒れこむと、上から駿がのしかかってきた。
「助けがほしけりゃいつでも俺が協力するぜっ!
あ、このことクラスの連中には内緒な。
あいつら毎晩エロ本で抜いてるような本物危険狼だから。
聖華生なんて目にした日にゃ、その場でお持ち帰り
なんてことになりかねないね!」
「お~、そりゃ恐ろしいこった!
ってお前だって毎晩美里の写真みて…って
うわっ!」
「それ以上言うな~っ!!」
駿が俺の両肩をゆっさゆっさしてきた。
おかげで首の筋が違えて
その晩はろくに寝られなかった。