俺しかいない
今日は絶好の海日和だなぁ~
ジリジリと肌に焼きつく太陽の光を感じながら、三人は美里達の待つ海へと足を進めた。
「なぁなぁ~、美里、どんな子連れてくんだろなぁ?」
関係ないはずの駿が一番気になっている様子。
「ま、美里のことだから、どうせハデなやつだろ~
なぁ、拓哉?」
「俺、ギャル系パス」
拓哉は即答した。
そうこうしているうちに、三人は海水浴場へとやってきた。
日曜日はさすがに人が多い。
砂浜は若者でにぎわっていた。
「美里達、どこだろ~
こんだけ人多いと、探すの大変だな~」
駿が困った様子で俺を見上げてきた。
「お前、ちゃんと待ち合わせ場所を具体的に決めとけよ。
バカだろ」
俺が駿をがんじがらめにしてやると、駿は
「だってぇ~」
と間抜けな声を出した。