〔BL〕透き通った嘘


「待ってよ!

なんで…
帰らなくても、オレがいるのに!」

「…ありがとう、楽しかった。

それじゃ。」


俺はそう言って、迎えの車に乗り込んだ。


芹沢はラフな格好のまま飛び出して、俺を追いかけてくれた。


でも、車が走り出すと、芹沢の姿は小さくなっていった。



「…ごめん。」



今更呟いたって遅い。

小さな小さなその声は、車の走行音で迎え消された。



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