〔BL〕透き通った嘘
名医の資格
佐藤side
「…っつ、」
目を開けると、激しい痛みにおそわれた。
…あぁそうだ、痛み止めが切れて、それで…
俺は、死ねなかったんだな。
「佐藤…っ!
まだ、起きちゃダメだ。
さっき痛み止めのませたばかりなんだから。」
の、ませた…?
って、まさか、キスで…
…いや、まさか、な。
「脇腹の内出血といい、頬の傷といい…
やっぱりオレのせいで弟に「違う!!」
芹沢の、せいじゃない…
「…階段から落ちただけって、言ったじゃないですか。」
「じゃあ古傷の方はどうなの!?
…佐藤、さすがにその嘘は苦しいよ。」
「勝手に人の裸見たんですか。」
「そ…んな、言い方ないだろ!」
照れ隠しで大声を上げても顔が赤くなってる。
わかりやすいな、芹沢は。
「はは…
貴方は昔から、何も変わっていない。」
「そんなに悲しそうに笑うなよ。
オレだって変わったさ。
佐藤にこの数年でいろいろあったように、オレにもいろいろあった。」