〔BL〕透き通った嘘
芹沢はすごい。
いつだって、俺の欲しい言葉をくれる。
「…ありがとう。
芹沢のおかげで、もう少し足掻いてみる気になった。
だからお前も足掻け。
救えなかった患者にビビってまた患者を殺すのか?
そうじゃないだろ。
助かる患者も手遅れの患者も救え。
“救う=命を繋ぐ”ことじゃない。
今の俺がそうだ。
俺はお前の言葉に救われた。
誰にも、ましてや自分でさえ無理だと思っていたのに。
それを、芹沢が救ってくれた。
お前は名医だよ。」
俺はそう言って検査室を出た。
さて、これから俺がやることは一つだ。
患者のことだけを考えて、父さんと決裂する。
もう…父さんの力は借りない。
俺の力だけで立ってみせる。
父さんなんかいなくても…俺は!
俺は、誰かを救える。