〔BL〕透き通った嘘

じゃあな





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──────
───…

時は過ぎて



卒業式当日。





「芹沢」


「お、佐藤」


「…よかったな、卒業できて」


「そこ!?

留年とかすると思ってたの!?

オレ頭良いんだって言ったろ!?」


「はいはい」


「軽くあしらわれた!!」


前と変わらない、相変わらずのギャーギャーっぷり。

なんだかおかしくて、プッと笑ってしまった。


「────…もう会えなさそうだな」


「…そんなこと、ないさ」


「ははっ、海外に…行くんだろ?」


「うん」


そんなやりとりをする。

でも俺は、決して




『頑張れ』とも『またな』とも言わなかった。






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