〔BL〕透き通った嘘
それから、わいわいがやがや。
みんなそれぞれ、飲んだくれていた。
いろいろな人が僕にからみ、そして交代してまたからまれる。
そんなのが続いた。
そして、今話している人と院長の話になった。
その人は、定年間近だという。
「院長はいい人だよ…!!
あの人は、若いのに偉いから、最初はいけ好かなかったんだけどさ、ちゃんと敬語は使うし、尊敬してくれるんだよ!
ほめるときはほめるし、ミスはちゃんと指摘する。
ただ、病院と医師や看護士の最善を考えてくれてんだ。
だから俺たちは、健康で病院に貢献できる。
ここじゃ院長は人気者さ…!」
…佐藤…。
おまえは、頑張ってるんだな。
そう思い、フッと笑ったとき。
「つれてきましたよー!!」
久子さんの声がした。
「ったぁーく、いつもは『行っても良いんですか』とか言うのに、今回だけは『お誘いはありがたいんですけど…』とか言っちゃって!!」
…どうやらその人は、強引につれてこられたようだ。
「ささ、早く入ってください!
────────…佐藤院長!」
「え…」