〔BL〕透き通った嘘


───────…



二時間くらい、たったあと。


僕はいろいろな女の人に話しかけられ、佐藤はもっといろいろな人に話しかけられていた。


そのときも、やっぱり知人風だったし。


やっぱり佐藤は、通い詰めてるのか…。





「あ、トモキさぁん!!

こんばんわ~!」


「あぁ、ミキさん。

こんばんわ。」


…名前呼びだし。



「…もしもし?

え、あぁ…。

わかった、すぐいく。」


すると、四十代くらいの男に電話が来て、その人はさっさと帰ってしまった。


…僕たち2人に財布を渡して。




「…。」


佐藤は、急に無口になる。




…いい機会だと思い、僕は女の人に席を外すように頼んだ。




「…佐藤、なんで「俺を笑いにきたのか?」



最初に佐藤が言ったのは、そんな自虐的な言葉だった。


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