◎☆ Margaret*
理解が、出来なかったんだ。

“なゆたとつきあいはじめた”
音を失ったように真衣の口だけが
動いて見えたんだ。

理解出来なかった。
理解したくなかった。

把握するのには時間が掛かった。
真衣照れてうつむいているから
運良くわたしの顔は見られなかった。

どんな顔をしていたんだろう
そう思うと怖くなる。

その後の記憶は余りに曖昧で、
薄っぺらい中身の無いおめでとうを
言った様な気がした。

真衣が帰った後は虚無感に襲われた。

どうしてなの
どうして…

いつもいつもいつも
幸せは真衣だけに訪れて、
わたしの欲しい物なんて、
どんなに手を伸ばしても
どんなにあがいても
届かない所か、希望の光の
一筋すら見えなくて。
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