◎☆ Margaret*
月日が経つ毎に
抱き締められたあの日の事が
記憶の中で美化されて、
より鮮明になってわたしを苦しめた。

忘れたいのに、捨てたいのに。

こんなに醜い感情を、気持ちを、
誰にも悟られたくない。

それからは何人かの人と
お付き合いもした。

でも無理だった。

わたしの心には1人しか居ない。

どんなに温かい心に触れても、
抱き締められても、
キスをしても、
体を重ねても、
何も感じる事が出来なかった。

那由太さん以外、考えられなかった。
ずっと、ずっと。
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