◎☆ Margaret*
店の端のショーケースに
花をモチーフにして中心に
オレンジ色の石がはめ込まれた、
わたし好みの指輪が置いてあった。

わたしはそれに釘付けになった。

ウェディングのものではなく、
プレゼント用のリング。

「かわいい…っ!」

那由太さんに言うと那由太さんは、
微笑みながら言った。

「芽衣ちゃんに凄く似合いそうだね」

なんだか凄く心がぽかぽかして
嬉しくなった。

でも那由太さんはまた真剣な表情で
真衣のことを考え出す。

その横顔を見つめては苦しくなる。


所詮、わたしはわたしなんだ。
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