◎☆ Margaret*
「那由太、おはよう。」

「真衣、いつもありがとう」
「いいの、毎日会いたくて来てる。」

今日も幸せ。
会えただけで幸せ。

でも今日はひとつ決心して来た。

「那由太、ひとつ聴いてもいい?」
「いいよ、どうしたの?」

言おうと思って来たのに
今言わないときっと言えなくなる。

言うんだ、言うんだ。


「…芽衣のこと、許せない?」

それからの沈黙はとてつもなく長くて、
聞かなければよかったと後悔した。

だってもう答えがわかってしまった。
那由太さんが困ったようにうつむいた。
それだけで答えは充分すぎるくらいだ。
< 59 / 90 >

この作品をシェア

pagetop