『華國ノ史』
華を冠する部隊
セブン、ウルブス、ミニッツとセコンドは案内係の衛兵に連れられ、
飾られた控えの間に通されると待機を言い渡された。
しばらくして豪華で重たい扉が開かれる。
するとウルブスが膝をつき頭を下げた。
ウルブスに敬意を払われた男はかなりの長身で透き通った目、
金色の長い髪が印象的だった。
ウルブス
「第一皇子のリンス様だ」
ウルブスに言われ三人も同様に膝を付いた。
リンスは華國次期王間違い無しであると言われる武名と聡明さを誇っていた。
その逞しい体つきは黒の鎧で隠されていたが、
その気概は押さえらる事無く辺りを圧倒しているかのようだった。
武勇を誇る魔人の旅の戦士を一撃で打ち倒した事で煌皇国にもその名を知られていた。
目付きは鋭く、一見冷酷にも見えるが誰よりも民をそして国を愛している男でもあった。
リンス
「久しいなウルブス。
お前の事だ無事であると確信はしていたが、
また隊長をお願いしたいものだ」
ウルブス
「質の高い魔力を持っている魔法使いと同じく、
気力が溢れておりますな。
もはや私を越えておられるようだ。
随分研鑽なさったようですな」
リンス
「一度も勝てぬままお前は引退してしまったからな。
そっちの三人もよく生き残ってくれた。
心から謝罪をする。
多くを守る事が出来なかった事を…」
そういうとリンスは深々と頭を下げた。
ウルブス
「一国を担う者がそんなに簡単に頭を下げてもよいものですかな?
それにあなたのせいではありません」
セブン「僕の力が足りなかったから」
リンス「私の力が足りなかったからだ」
同時に言葉を発した二人は目があった。
そこには一瞬ではお互いに何か通じるものを感じたのだろう。
お互い意志のこもった目で見合い笑った。
リンス「名は?」
セブン「セブンです」
リンス
「セブン、私の責任なのだ。
私にも重い、君が背負うには重すぎる。
だが嘆いている暇は今は無い。
直ぐに前線へと向かう」
セブン「私も戦います」
リンスには強い語気がこもった青年の声がどんな歴戦の戦士よりも頼もしく思えた。
リンス「ならば私達は戦友だ」
リンスは手を伸ばしセブンはそれに応えた。
この時ばかりはさしもの双子もあまりの身分の違いに黙って目を伏せているしかなかったが、
リンスはそれに気付き手を伸ばした。
双子は感動し、子供の様にはしゃいだ。
飾られた控えの間に通されると待機を言い渡された。
しばらくして豪華で重たい扉が開かれる。
するとウルブスが膝をつき頭を下げた。
ウルブスに敬意を払われた男はかなりの長身で透き通った目、
金色の長い髪が印象的だった。
ウルブス
「第一皇子のリンス様だ」
ウルブスに言われ三人も同様に膝を付いた。
リンスは華國次期王間違い無しであると言われる武名と聡明さを誇っていた。
その逞しい体つきは黒の鎧で隠されていたが、
その気概は押さえらる事無く辺りを圧倒しているかのようだった。
武勇を誇る魔人の旅の戦士を一撃で打ち倒した事で煌皇国にもその名を知られていた。
目付きは鋭く、一見冷酷にも見えるが誰よりも民をそして国を愛している男でもあった。
リンス
「久しいなウルブス。
お前の事だ無事であると確信はしていたが、
また隊長をお願いしたいものだ」
ウルブス
「質の高い魔力を持っている魔法使いと同じく、
気力が溢れておりますな。
もはや私を越えておられるようだ。
随分研鑽なさったようですな」
リンス
「一度も勝てぬままお前は引退してしまったからな。
そっちの三人もよく生き残ってくれた。
心から謝罪をする。
多くを守る事が出来なかった事を…」
そういうとリンスは深々と頭を下げた。
ウルブス
「一国を担う者がそんなに簡単に頭を下げてもよいものですかな?
それにあなたのせいではありません」
セブン「僕の力が足りなかったから」
リンス「私の力が足りなかったからだ」
同時に言葉を発した二人は目があった。
そこには一瞬ではお互いに何か通じるものを感じたのだろう。
お互い意志のこもった目で見合い笑った。
リンス「名は?」
セブン「セブンです」
リンス
「セブン、私の責任なのだ。
私にも重い、君が背負うには重すぎる。
だが嘆いている暇は今は無い。
直ぐに前線へと向かう」
セブン「私も戦います」
リンスには強い語気がこもった青年の声がどんな歴戦の戦士よりも頼もしく思えた。
リンス「ならば私達は戦友だ」
リンスは手を伸ばしセブンはそれに応えた。
この時ばかりはさしもの双子もあまりの身分の違いに黙って目を伏せているしかなかったが、
リンスはそれに気付き手を伸ばした。
双子は感動し、子供の様にはしゃいだ。