『華國ノ史』
 華王ブレイブリーはセブンに問い始める。


ブレイブリー
「セブン、お前に戦う覚悟はあるか?」


セブン「あります」


ブレイブリー
「では、何の為に戦う?」


セブン
「戦争を終わらせる為です」


ブレイブリー
「戦争を終わらせる為に戦争を行うのか?

 私は停戦を申し込み二度戦争を終わらせた。

 交渉という手段もあるのではないか?」


セブン
「話し合いも無く、私の第二の故郷を焼かれました」


ブレイブリー
「やられたらやり返す、そういう事か?」


セブン
「違います。

 同じような惨事を起こさぬ為です」


ブレイブリー「うむ」


 ブレブリーは従者に王剣を持って来させ、それを引き抜き両手に持った。


 木の柄に、蔦が巻かれた刀身。


 顔の前に刃を掲げると謁見の間は静まりかえった。


 それは、騎士として認められる儀式であった。


 功績を残した貴族、軍団長や魔法部隊長がそれにあたった。

 
 騎士団とは言うが騎士に率いられる為にそう言われるのであり、実際に騎士の称号を持っている者は少なかった。


 まだ、無名の青年にその称号が与えられる。

 
 だが、今まで王の目には狂いは無かった事は、事実であった。

 
 誰も異論を唱える者はいない。

 ただ粛々と見守られるだけであった。


ブレイブリー
「汝、誇りを持つ者か?」


セブン
「誰よりも高く!」


ブレイブリー
「汝弱きを助けるか?」


セブン
「より多くを!」


ブレイブリー
「汝正義を行うか?」


セブン
「最後の時まで!」


ブレイブリー
「華を枯らしはしないか?」

セブン
「命を賭けて!」


ブレイブリー
「…見事なまでの騎士振りよ!

 セブン。

 華國の民を守り束ねる者として、お前をこれより華國の騎士としてここに認める。


 我が名は

 ブレイブリー・キング・スタッグ!

 華の妖精よ!彼を称えたまえ!」


 華王の玉座後方にある王樹から花びらが幾つも舞い、

 セブンへと降り注いだ。

 
 謁見の間は盛大な拍手に包まれ、王は剣をセブンの肩に置いた。。


ブレイブリー
「王の為に戦うのではない、忠誠を誓うべきはこの国で暮らす全ての者達である。
 
 騎士セブンよ、常にそうあれ」

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