『華國ノ史』
 最年少での騎士の誕生に周りの者は祝福の言葉を送った。


ミニッツ「すげーな!」

セコンド「やったなセブン!」

 セブンは騎士となった事を誇りに思えた。

 
 祖父と同じく騎士となったのである。


ブレイブリー
「通常ならば剣を授けるのだが、お前は既に高名な名剣を2つも持っているそうだな?」


セブン「はい」

ブレイブリー
「では、騎士の証である指輪と、剣の変わりに特別にマントを贈ろう」


セブン
「ありがとうございます」

ブレイブリー
「ウルブス、お前にも何か贈らねばなるまい」

 
 周囲の注目はセブンからウルブスへと移った。


ブレイブリー
「お前は以前の戦争での功績の恩賞に「平和を」と望んだな?」


ウルブス「確かに」

ブレイブリー
「私の力不足で、それは叶わなかった。

 他に、変わりにはならぬが、何を望む?」


 第二次南北大戦でウルブスは華龍隊を率い多くの戦功をあげた。

 
 謁見の間では多くの騎士に報酬が渡されていたが、

 ウルブスは金貨も土地も求めなかったのだ。


 彼が望み要求したもの

 
 たった一言

 
「平和を」と


 その気高い報奨要求は未だに王城で語り継がれている程であった。


 皆はウルブスが次の言動に注目するのは当然であった。

 
ウルブス
「ならば、今一度
   
 若き騎士と共に
    
戦地へと赴く名誉を!」

 
 謁見の間は昔と同様に、いやそれ以上に感嘆の声に包まれる。


ブレイブリー
「認めるまでもない。

 お前にはいつも感服させられる。

 お前こそ忠臣の中の忠臣よ!」

 
 再度謁見の間は拍手に覆われた。

 
 だがまだそれで終わりでは無かった。


 星の魔法使いが初めて王子と王にあったこの日。

 
 この謁見の間で行われた一連のやりとりは更なる展開を見せるのである。
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