『華國ノ史』
 場内は熱気に包まれていた。


 若き騎士の誕生。


 老騎士の帰還。


 謁見の間には続々と人が集まって来た。

 王は片手で賛辞の声を止めると、ケイロンの書状を皆に見せながら話し出した。


ブレイブリー
「これはドラゴニュートである賢者ケイロンからの書簡である。

 
 ここには新しい部隊の創設案が書かれている。

 
 魔法都市を束ねていたクラッシュの提言もあり、

 私はそれを実行しようと思う。

 
 魔法部隊の中でも華の字を冠する三強より人員を選抜し、

 新たなる部隊をここに創設する!

 
 剣技と魔法に優れた者を集めた
      華龍隊

 特殊特性の魔法使いを集めた
      虎華隊

 貴族の魔法使いを集めた
      王華隊

 それらより一字ずつ取りこう名付ける。

   

   『華龍王虎隊』
   (カリュウオウコタイ)

 
 華の字を持つ四番目の部隊である。

 率いるはお前だ、セブン!

 
 華國の守護龍の爪となり、
   王国の牙となす虎となれ!」


セブン「!」

ブレイブリー
「華龍隊の代表はウルブスお前だ!!」

ウルブス「ははっ!」

ブレイブリー
「新たな騎士に率いられ、歴戦の騎士がそれを導く。

 有能な隊員達と共に戦場を勝利に誘え!」


 部隊の新設はここ数十年無く、珍しい出来事であった。


 初めは何故この新参の青年に騎士の称号と、新設された精鋭部隊の隊長の位を与えるのかと戸惑う者がいた。

 
 しかし、王の自信ある采配後の態度が皆を納得させた

 
 華王の人を見る目は間違い無いからであった。

 
 そうやってこの国は大きくなっていったからである。

 
 あらゆる希望が込められた部隊の誕生に多くの者が期待を抱き万歳の声を上げる。

「セブン卿万歳!」

「ドレイク隊長万歳!」

「華龍王虎隊万歳!」

 

 

 

 
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