『華國ノ史』
ボルト亡命軍は屈強なボルト族の選抜戦士百名程で構築された軍団であった。
その角の見た目ゆえ別名「羊族」とも呼ばれる。
しかしそんな穏やかな動物とは違い、戦士達は筋骨たくましく顔も威厳に満ち溢れていた。
それを率いるのは槍を得意とする女戦士である。
ボルトの女性は男よりも短めの角が生えているが、
彼女の細くて長い角は額上部から耳に向かって美しく伸びていた。
彼らの一族は生まれた時には名前が無い。
成人を迎え、その者が持つ力になぞらえて名を渡されるのだ。
彼女は「鋭きボルトの槍」と呼ばれていた。
朝の人員点呼確認でセブンは女軍長に話をかけた。
セブン
「名前呼びずらいんですけど、スピアさんって読んでもいいですか?」
スピア
「スピア?」
セブン
「槍って意味なんですが、戦闘中に咄嗟に叫ぶ時にどうも」
スピア
「そうですね。
俗称を作った方が良いでしょうね。
部下にもそうさせます」
セブン
「自分から言っといてなんですが、本当に良いんですか?
ボルトの皆さんの名前はその人の力を表すって聞きました。
誇りとかあるのでは?」
スピア
「私達はこの見た目から煌皇国から迫害を受けました。
ですから我々は形や形式にさほどこだわらないようにしようって。
だから貴方がいかに若く見えようと私は貴方の内に秘める力を信じ従います」
セブン
「なんでだろう、そんなに格好良い角なのにな~」
スピア
「そうですか?そう言って貰えると誇らしいです」
セブン
「失礼じゃなければ触ってみても良いですか?」
スピア
「これは、その…我々の間では…
まさか…そういう意味でおっしゃられてるんですか?」
後ろからボルトの大男が口を挟んできた。
大男
「指揮官騎士殿!
我々の角は大事な人、つまり恋人にしか触れさせないというのが習わしだ。
でも形式にはこだわらないですよね?
軍団長!
ウッハッハッハ!」
スピア
「う~う~んでは、どうぞ」
スピアは顔を両手で恥ずかしそうに隠し、角をセブンに向けた。
セブン
「やめときます、なんかすいません」
セブンはこの色々と不思議で独特の習慣と考え方を暇があったら教えて貰いに行った。
特異な宗教感や、論理感等は聞いていると面白かった。
彼等も自分と同じ様に変わろうとしている事に共感が持てたのだ。
そんなセブンをボルト族は嬉しく思い、
何かにつけてセブンを手伝う様になっていったのである。
その角の見た目ゆえ別名「羊族」とも呼ばれる。
しかしそんな穏やかな動物とは違い、戦士達は筋骨たくましく顔も威厳に満ち溢れていた。
それを率いるのは槍を得意とする女戦士である。
ボルトの女性は男よりも短めの角が生えているが、
彼女の細くて長い角は額上部から耳に向かって美しく伸びていた。
彼らの一族は生まれた時には名前が無い。
成人を迎え、その者が持つ力になぞらえて名を渡されるのだ。
彼女は「鋭きボルトの槍」と呼ばれていた。
朝の人員点呼確認でセブンは女軍長に話をかけた。
セブン
「名前呼びずらいんですけど、スピアさんって読んでもいいですか?」
スピア
「スピア?」
セブン
「槍って意味なんですが、戦闘中に咄嗟に叫ぶ時にどうも」
スピア
「そうですね。
俗称を作った方が良いでしょうね。
部下にもそうさせます」
セブン
「自分から言っといてなんですが、本当に良いんですか?
ボルトの皆さんの名前はその人の力を表すって聞きました。
誇りとかあるのでは?」
スピア
「私達はこの見た目から煌皇国から迫害を受けました。
ですから我々は形や形式にさほどこだわらないようにしようって。
だから貴方がいかに若く見えようと私は貴方の内に秘める力を信じ従います」
セブン
「なんでだろう、そんなに格好良い角なのにな~」
スピア
「そうですか?そう言って貰えると誇らしいです」
セブン
「失礼じゃなければ触ってみても良いですか?」
スピア
「これは、その…我々の間では…
まさか…そういう意味でおっしゃられてるんですか?」
後ろからボルトの大男が口を挟んできた。
大男
「指揮官騎士殿!
我々の角は大事な人、つまり恋人にしか触れさせないというのが習わしだ。
でも形式にはこだわらないですよね?
軍団長!
ウッハッハッハ!」
スピア
「う~う~んでは、どうぞ」
スピアは顔を両手で恥ずかしそうに隠し、角をセブンに向けた。
セブン
「やめときます、なんかすいません」
セブンはこの色々と不思議で独特の習慣と考え方を暇があったら教えて貰いに行った。
特異な宗教感や、論理感等は聞いていると面白かった。
彼等も自分と同じ様に変わろうとしている事に共感が持てたのだ。
そんなセブンをボルト族は嬉しく思い、
何かにつけてセブンを手伝う様になっていったのである。