『華國ノ史』
 この時、東の華國勢力一万七千、多くが騎士、戦士、魔法使いで構成された純粋な兵力であった。


 率いるのは華國王子リンスとトリートである。


 これに対抗する煌皇軍は既存の関所守備兵を含め兵力二万五千、

 正規兵は五千足らずであった。


 率いるのはボーワイルドと同じ位である将軍三名である。


 華國は正規兵を国境に集中させ、民兵や新規兵を大陸、北、西、東へ配備した。


 敵の艦隊による奇襲の足止めの為である。


 そして日に日に増してゆく志願兵は王城で待機させ、

 戦況を読みつつ各所へ援軍に向かわせる手筈であった。


 一方、煌皇民兵を含む華國東方勢力包囲網は三将軍に集中させ分割される事になった。


 煌皇軍は国内の守備兵を全て北に回したのだ。


 西では華國側の正規軍では無いものの実力派の集団が三日月城塞で関所を守っている。


 その兵力は若干、千名。


 これに向けて煌皇国皇帝が送った兵力、ボーワイルドと更にもう一人の将軍があわせ持つ兵力二万。


 東西を合わせ前線兵数を総合的に見れば



  「華國軍一万八千」

      vs

  「煌皇軍四万五千」



 その差、二万七千

 華國側は約倍以上の兵力差があったのだ。


 西側だけで考えれば二十倍である。


 いかに煌皇側が民兵が多くとも、その戦力差は一方的であった。


 これはボーワイルドの奇襲戦による功績が大きかった。


 総力戦となれば五分の戦いが出来たであろうが、

 兵力を分散させるしか無いと読んだ煌皇国皇帝が全軍を山脈に向かわせた結果であった。

 

 
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