『華國ノ史』
　煌皇軍　五大将軍

　それは煌皇国で皇帝の次に偉大な戦士達であった。


　皇帝五柱(ゴチュウ)とも言われる彼らはそれぞれの役割がある。


　知、武、疾風、大翼、魔導。

　
　ボーワイルドは知将であり、キュバインは武将を担う。

　
　フェネックは疾風であった。

　
　キュバインと共に華國軍を迎え撃つのが大翼(タイヨク)、

　そして魔導(マドウ)である。


　大きな翼を持つ怪物、ワイバーンに乗り、空を駆ける戦士がいた。


　ワイバーンは数が少なくその数は百程であったが、

　戦場でのそれはかなりの活躍を見せる。

　それを指揮するのが


　「大翼将軍ゼレイド」であった。

　
　「無慈悲」と「強襲者」の称号を持つ彼は弓を得意とする戦士である。

　
　そしてもう一方が

　
　「魔導将軍レイナス」である。

　
　称号は「災厄」と「幻惑師」で、幻術を得意としていた。

　
　この三将は仲があまり良く無く、また同格である為に功を争わせようと皇帝が考えたのである。

　
　彼等が率いる大軍は地を揺らしながら華國軍へと迫る。

　
　しかし足並みが揃わず、真っ先に戦場にたどり着いたのはやはりキュバインであった。

　
　彼は「重き扉の城」に華國の軍旗が掲げられているのを見て肩を落とす。


　そして怒りに肩を振るわせるのであった。

　
　それは自分の無力さに対する純粋な羞恥心から来るものであった。


キュバイン
(怒りに任せて攻撃すれば現段階では数で不利だ)

　そう何度も自分に言い聞かせた。

　それを空から眺めている男がいた。

　無慈悲な強襲者ゼレイドである。

　彼はキュバインとほぼ同期であった。

ゼレイド
「ちょっとは頭の筋肉が年をとって衰えたか？

　突撃しか作戦を知らなかった男がな…」

　
　ゼレイドは地に降り、キュバインと足並みを揃える事にした。

　

　

　

　

　
　
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