『華國ノ史』
華國軍の司令官であるリンスは煌皇軍を見つけると直ぐに軍を引き、
重き扉の城を放棄した。
一万七千の軍は一挙に関所へと退却する。
それを見たキュバインは即座に城へと突入する。
キュバイン
「くそ!遅かったか」
既にもぬけの殻となっている城にキュバインの声が響く。
そこへワイバーンに乗ったゼレイドがゆっくりと降りる。
ゼレイド
「敵の罠だったらどうする。全く」
キュバイン
「空からなら見えただろう?
敵の兵力は?」
ゼレイド
「およそ一万以上だ。
関所にどれ程の数がいるかは分からん」
キュバイン
「退路は絶てなんだか」
ゼレイド
「お前が突出するからだ。
皇帝はお怒りになるぞ」
キュバイン
「直ぐに逃げ出す腰抜けが悪い」
「やれやれ、作戦が台無しだ」
翼が退化し地を這うドラゴンのような生き物に乗った魔導将軍レイナスが城に入って来た。
キュバイン
「同胞五千の命が掛かっていたのだ。
仕方あるまい」
レイナス
「いや、キュバインのせいではない、相手が用心深いのだ。
見よ、この正門を。
凄まじい勢いで破壊されている。
これでは籠城は難しい。
この短期間で関所を全て落とした事を考えると、相手は有能な奴だぞ。
皇帝の考え通りにいかぬ者は少ない」
ゼレイド
「恐らくリンスだろう。
奴の武勇は南にも響く。
武勇に任せるだけでは無い男という事か」
キュバイン
「皇帝の考えを上回る男…」
レイナス
「そんな男はボーワイルドとリンス位の者であろう。
だから我々三人で当たるのだ」
戦闘の凄まじさが感じられる城の中で、彼等は考えていた。
短期間での報復、関所の制圧、堅牢な城を落とし、執着せず放棄する思い切りの良さ。
罠を感じとり、即時撤退をした男の事を。
三人の将軍は共に助け合わねば勝てぬ相手であると薄々感じていたのだった。
重き扉の城を放棄した。
一万七千の軍は一挙に関所へと退却する。
それを見たキュバインは即座に城へと突入する。
キュバイン
「くそ!遅かったか」
既にもぬけの殻となっている城にキュバインの声が響く。
そこへワイバーンに乗ったゼレイドがゆっくりと降りる。
ゼレイド
「敵の罠だったらどうする。全く」
キュバイン
「空からなら見えただろう?
敵の兵力は?」
ゼレイド
「およそ一万以上だ。
関所にどれ程の数がいるかは分からん」
キュバイン
「退路は絶てなんだか」
ゼレイド
「お前が突出するからだ。
皇帝はお怒りになるぞ」
キュバイン
「直ぐに逃げ出す腰抜けが悪い」
「やれやれ、作戦が台無しだ」
翼が退化し地を這うドラゴンのような生き物に乗った魔導将軍レイナスが城に入って来た。
キュバイン
「同胞五千の命が掛かっていたのだ。
仕方あるまい」
レイナス
「いや、キュバインのせいではない、相手が用心深いのだ。
見よ、この正門を。
凄まじい勢いで破壊されている。
これでは籠城は難しい。
この短期間で関所を全て落とした事を考えると、相手は有能な奴だぞ。
皇帝の考え通りにいかぬ者は少ない」
ゼレイド
「恐らくリンスだろう。
奴の武勇は南にも響く。
武勇に任せるだけでは無い男という事か」
キュバイン
「皇帝の考えを上回る男…」
レイナス
「そんな男はボーワイルドとリンス位の者であろう。
だから我々三人で当たるのだ」
戦闘の凄まじさが感じられる城の中で、彼等は考えていた。
短期間での報復、関所の制圧、堅牢な城を落とし、執着せず放棄する思い切りの良さ。
罠を感じとり、即時撤退をした男の事を。
三人の将軍は共に助け合わねば勝てぬ相手であると薄々感じていたのだった。