『華國ノ史』
※以下本文とは関係ありません

 南で集めた情報の中で、北の障害となるであろう物の詳細を報告する。

 
 中でも煌皇八大秘宝は特に注意が必要であると考える。


「死神のランタン」

 黒いランタンにはに汚れた黒い芯がある。

 悪名高きかつての大魔法使いベルベットを呼び出す事が出来るとされている。


 ベルベット、忌まわしきリッチの始まりの祖である。


 リッチは崩れゆく肉体を現世に維持し、

 死神とおぞましい契約を結ぶ。

 死霊へと落ちる者も多く無い。

 しかしリッチになれる者は少ない。

 魔力、知識、多くの命を奪う非常さ、異形の儀式を行い続ける精神力が必要である。


 彼らは姿を表す事は殆ど無い。

 その姿の醜さと、彼等の行いは全ての者から忌み嫌われるからである。



「火吸石」

 その名の通り、火を吸い込む不思議な宝玉。

 ある部族が崇めていた神の心臓とされていた。

 煌皇國が南で権勢を伸ばしていた頃に発見される。

 この石は半ば強引に部族から奪われ、煌皇軍に利用される事になる。

 
 一度に吸い込める炎の量は決まっており、

 炎を完全に貯めるまでに百年以上掛かるという。

 
 宝物庫にある暖炉で長年火に掛けられている。

 初めは無色であるが、次第に赤黒く成っていく。


 それは血の色に酷似している。

 溜め込んだ炎を解放するには呪文を唱えるが死神のランタン同様この時、

 魔力は必要無い。

 

 【外部工作員ジェノスの報告】より

 

 



 

 
 
 

 
 
< 167 / 285 >

この作品をシェア

pagetop