『華國ノ史』
 荷馬車に揺られて3日目の夕暮れ、日の沈む港街が見えた。

商人
「町が見えたぞ」

 ネズミで遊ぶのに集中していたセブンは立ち上がり馬車から身を乗り出した。


 潮風から建物を守るために塗られた塗料は赤く、街は夕日と合わせて一層紅蓮に輝いている。


ピエロ
「あれが華國の主要都市の一つ

 『港街、赤い海猫の巣』だ」

セブン
「海だー!」

ピエロ
「どうだ?でかいだろう」

セブン
「予想よりも、もっともっと大きい!」

商人
「しかしどういった要件で?」

ピエロ
「お前情報売る気だろ?」

商人
「ばれました?」

ピエロ
「本店に帰ったらキースに言っとけ、悪どい商売ばっかりしてたら、そのうち潰すぞってな」


商人
「キース様は良い人ですよ?」


ピエロ
「キース商団は結構大きいんだろ?」

商人
「ええ、まあ」

ピエロ
「まともな仕事じゃおっきくはならねーんだよ」


商人
「払うもん払ってるんじゃないですかね?へへ」


ピエロ
「いもずる式で上の奴等も監獄で笑わせてやるさ、俺は道化だからな」

商人
「笑えないっすよ」

セブン
「魚食べれるよね?海だから」

ピエロ
「ああ、新鮮な飯食ってろ俺は早速仕事だ。

 お前は宿屋に預けるからな」

セブン
「海見てきても良い?」

ピエロ
「迷子になるなよ?」

セブン「イヤッホー」



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