『華國ノ史』
 トールは祖父の推薦もあり、菫騎士団へと入隊する。


 その実力と意思の強さは誰にも負けなかった。


 特に行動力には誰もが彼に目を見張っている。


 菫騎士団には似つかわしく無い性格であったが、

 彼は皆を率いるカリスマがあった。


 それを見抜いた騎士団長はトールを行動力に優れた騎馬隊の隊長に任命したのだった。

 
 大戦直後、東の関所が任地であったが、

 セブンが西にいると聞いてじっとしていられるはずが無かった。

 
 彼は騎士団長に移動を願い出たが却下され、

 リンス王子に直談判しに行ったのである。


 通常ならば追い返される所であるが、

 セブンの兄であるという事で謁見を許可される。


 リンスがトールを見た時、彼の意見は通ったも同然となる。


 それだけ強い覚悟をリンスは見てとったからである。

 
 これよりトールは自分の部隊を率いて西を目指す。

 
 そしてカルパトス平原の戦いに何とか間に合ったのである。


 

 
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