『華國ノ史』

水晶山の魔女

 セブン達連合隊は悲惨なまでの被害を受けていた。


 当初、千までいた兵士はもう今ではもう百五十足らず。


 サジ率いる教会騎士団の祈りもあったが、それでも自力で動ける者は百もいなかった。


 ボルト軍団長のスピアも傷を受け動いていた為に怪我が悪化し今では意識を失っている。


 トールの部隊は五十名、マッチョの部隊は四十名が生き残った。


 この数で王都に向かえば、途中で襲われる事を危惧した一軍は、当初の予定通りに水晶山へと向かった。


 王都より離れるがそこには頼れそうな人物がいた。

 
 まだそこにいてくれればの話であるが。

 
 何より彼女には謎が多かった。

 
 素性もしれず、魔法都市からも独立していた。

 
 長年彼女を見た者は少ない。
 
 
 近くの村人の証言と、華王の遣わした使者の証言が彼女の存在の証明である。


 彼女の力を感じた、または見た者は口を揃えて言う。

 
 現存する大魔法使いであると。

 
 
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