『華國ノ史』
 港街の倉庫では南に物品を流していた闇貿易商人が集まっていた。

 
 何人かのボスがピエロ襲来を聞きつけ、緊急対策会議を行っていた。


「内部調査員が来たってよ」


「しかも最悪な事に奇術使いの道化らしい」


「どうする?かなりつえーらしいぜ」

「それでも一人だろ?」


「実力より、残忍性が半端ないってよ」


「シラをきりとおしたらどうだ?」


「無駄だ。奴は嘘を見抜く。

 
 だからまともな調査すらしないんだってよ、さらにすぐに人を殺すらしい」

 
 その時ドアが開かれ闇商人の仲間が入って来た。


「ちいせえガキを一匹つれてるってよ」

「びびらすな、入るなら合図しろや」

「人質にするか?」

 その時またドアが開かれた。

「だから!ノックを……」

 
 そこにはピエロが立っていた。

 
 片手には足が血まみれの男を引きずっている。

ピエロ
「歌え」

足に怪我をおった男
「足が痛い足痛い足がいてーなー」


ピエロ
「違う、そうじゃないだろ!

 さっき教えたばっかだろーが!」

 
 ピエロはその男の足を踏みつけグリグリとにじった。


足に怪我をおった男
「ギャーっ!勘弁してください」


ピエロ
「どうするお前等も歌ってみるか?

 足痛いの歌を。

 歌いやすいように足痛くしてやろーか?

 
 それとも足が無いの歌にするか?

 我が鋭き友よ!

 舞えっ踊れっナイフワルツ!」


 ピエロはトランクを開けると無数のナイフが飛び出し、空中をブンブンと舞った。


「降参する!出頭する!」


  闇商人達は直ぐにひざまずき命乞いを始めた。

 

 

 
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