『華國ノ史』
 
 王都防衛戦 四日目

 
 その朝一番にキュバインは当然の如くボーワイルドに合流した。


ボーワイルド
「まさしく武将だな」

キュバイン
「ただただ、心配で」

ボーワイルド
「心配される程老いたかな?ハハハ

 しかし、リンスを討ち取ったか?」

キュバイン
「いえ、しかし奴を倒すのは私以外いないでしょう」


ボーワイルド
「何か手違いがあったか?」


キュバイン
「しかし、これはもう落ちたも同然ですな!」


ボーワイルド
「なかなか抵抗が激しい、民衆の抵抗が著しいのだ。

 
 女や老人さえも立ち向かって来るそうだ。


 それに手を出せぬ者もおるようだ。

 
 これは制圧しても後々、執政官が苦労するであろうな。

 
 それよりも問題なのは……」


キュバイン
「また先の事ばかり、今は攻めましょう。

 私が来たのです。

 フェネックとは違う。

 
 半日も掛からず王城の扉を開け放ちましょう。

 
 王座の座り心地を一番始めに味わうのはあなただ。

 しかるのちまた」

 
 キュバインはそう言い斧を肩に担いで見せた。

 
 ボーワイルドはキュバインが合流した事により、

 幾分か落ち着きを取り戻していた。


ボーワイルド
「そうだな…急がねば。

 美味しい所にきおって。

 では仕上げと行くか。

 全軍!前進!」

 
 ボーワイルドは勝利を確信していた。

 キュバインもだった。

 華國側も皆そう思っていた。

 
 ボーワイルドは城の外の兵を全て前線に投入するべく、華國王都オールインの正門を目指した。
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