『華國ノ史』
 その異変に煌皇軍も気付いた。

 
 ボーワイルドはその報告を受け、憎悪に満ちた目付きでそれを見る。

 
 王都を大きく囲む華國の代名詞でもある桜華の林。

 
 王華の指輪の前に見知った軍旗がはためき、

 続々と兵士が現れ始めた。

 
 魔法騎士 セブン。

 魔法剣士 ウルブス。

 風の貴族 カトリ。

 死霊使い クロネ。

 双子の精霊召喚士 
  ミニッツ、セコンド

 奇術使の道化 ピエロ

 義勇軍狂戦士 エイブルス

 鉄鎖の双剣使い ジェノス

 ボルト族の槍使 スピア
 
 教会騎士の長 サジ

 菫騎士団騎馬隊長 トール

 巨人傭兵団の大木 マッチョ
 
 
 13人の勇者は堂々と煌皇軍の前に布陣した。

 
 その後ろにはそれぞれの旗が舞っている。

 
 華國の滅亡寸前に現れた彼等を、

 
 人々は「救国十三士」と呼んだ。

 
 ボーワイルドは怒りに我を忘れる事無く、

 すっかり諦めた様子で撤退命令を下す。

 
 王城の門は遂に煌皇兵に開かれる事は無かったのである。
 

 
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