『華國ノ史』
 華の都に低い角笛の音が響き渡る。


 それに呼応し波紋が広がる様に同じ音が鳴らされた。


 それは煌皇軍の撤退の合図であった。

 
 城を攻めていた多くの兵は速やかに撤退を開始する。

 
 彼等は感じ、知っていたのだ。

 
 またあの関所の部隊がやって来たのだと。

 
 ここにいれば取り残され、必ず復習に燃える怪物達に出会う事になると考えた煌皇軍は、

 先までとはうって代わり、狼狽しつつ逃げ出して行った。


 信じられない華國国民は茫然としてその場へ座り込む。


 疲れと、何が起きたかとで、全く状況を把握出来なかったからだ。


 しかし、この撤退を一番信じれない男がいた。


 死闘をくぐり抜け、駆けつけて来た煌皇の猛将。

 
 煌皇軍武将キュバイン将軍であった。
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