『華國ノ史』
「狼は獅子を慕いて兜を戴く」
この話は題に「期」が付かない。

 
 そう、これは本編と離れたもう一人の主人公の話である。

 
 魔法の恩恵を持たぬ者でも歴史に名を残す者は多い。

 
 国の柱となる王子の話は今や力持たぬ者の羨望の眼差しで求められる。

 
 だが、これは脚色でもなければ、幻想でもない。

 
 神話の根本に実話がある様に、私はこれを記す

 
【華國史】第参巻
 ~星の魔法使いの章~
 華國第二王子
 トリート・ロイヤル・スタッグ
 の証言より
 
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