『華國ノ史』
両雄の誓い
先だって西の防衛を勤めていた華龍王虎隊は煌皇軍を敗走させた後、
崩れ落ちた山脈西の関所で待機していた。
防衛の要であった三日月城塞は応急措置的な修繕しかされておらず、
皆は来るべき進軍を待っていた。
その為トリートが現れた時に皆は鼻を鳴らし高ぶった。
しかし、そこに指揮官であるセブンの姿は無かった。
トリートは困惑し、副官であるカトリに問いただす。
セブンは王都防衛戦の後、二振りの剣を自分に託し直ぐに元魔法都市へと向かったという。
それは友であるウルブスを埋葬する為であった。
そういえばとトリートは思い返していた。
ウルブスの亡骸を何者かが半ば無理矢理引き取って行ったと。
カトリは恐らく先に亡くなった奥さんと一緒に眠らせたかったのだろうと付け加え、
現在の状況を報告した。
報告ではセブンはこちらへと向かいながらピエロと共に修行しているという。
部隊長達は既に回復し、武器は満ち足りていた。
兵士は懸命に矢を増産し、戦術を練っている。
既に丸太を組んだ簡易的な橋が深い渓谷に渡され、
いつでも進撃が可能であった。
報告を受けたトリートは満足し、その場を去って行ってしまった。
去り際にカトリは慌ててトリートをひき止めた。
カトリ
「進撃する為にここまで来られたのではないのですか?」
トリート
「無論そのつもりだ。
少人数だけ率いて私は西の海岸線を北上する。
三月だけ待て必ず帰る。
それまで私もこれを君に預ける」
そう言ったトリートは鎧とリンスの兜を渡し馬に乗って軽快に去っていった。
自分のやるべき事、出来る事をしっかりと把握していたのだ。
崩れ落ちた山脈西の関所で待機していた。
防衛の要であった三日月城塞は応急措置的な修繕しかされておらず、
皆は来るべき進軍を待っていた。
その為トリートが現れた時に皆は鼻を鳴らし高ぶった。
しかし、そこに指揮官であるセブンの姿は無かった。
トリートは困惑し、副官であるカトリに問いただす。
セブンは王都防衛戦の後、二振りの剣を自分に託し直ぐに元魔法都市へと向かったという。
それは友であるウルブスを埋葬する為であった。
そういえばとトリートは思い返していた。
ウルブスの亡骸を何者かが半ば無理矢理引き取って行ったと。
カトリは恐らく先に亡くなった奥さんと一緒に眠らせたかったのだろうと付け加え、
現在の状況を報告した。
報告ではセブンはこちらへと向かいながらピエロと共に修行しているという。
部隊長達は既に回復し、武器は満ち足りていた。
兵士は懸命に矢を増産し、戦術を練っている。
既に丸太を組んだ簡易的な橋が深い渓谷に渡され、
いつでも進撃が可能であった。
報告を受けたトリートは満足し、その場を去って行ってしまった。
去り際にカトリは慌ててトリートをひき止めた。
カトリ
「進撃する為にここまで来られたのではないのですか?」
トリート
「無論そのつもりだ。
少人数だけ率いて私は西の海岸線を北上する。
三月だけ待て必ず帰る。
それまで私もこれを君に預ける」
そう言ったトリートは鎧とリンスの兜を渡し馬に乗って軽快に去っていった。
自分のやるべき事、出来る事をしっかりと把握していたのだ。