『華國ノ史』
出立したトリートは直ぐ様各町に寄り募兵を行い西の関所へ向かう様に皆を説いて回った。
そして彼は目的の一つである町へとたどり着く。
幾度も野獣に襲われながら、危険な罠を抜け、
瀕死の状態で着いた町の門は強固に守られていた。
王子であるはずのトリートは布を被らされ両手を後ろに縛られ歩かされる。
耳に聞こえて来るのは酷い脅し文句と汚い笑い声だった。
布をとられた視界の先には顔中傷だらけの男が座っている。
毛が無い頭には刺青が入り、ニヤッと笑った口から覗くのはヤスリで削られた鮫のような歯だった。
トリート
「手を貸して欲しい」
トリートの第一声に男は驚き笑い出した。
男
「第一声がそれか?せっかちな野郎だな?
まあサプライズは嫌いじゃねーぜ?」
トリート
「時間が惜しい。
今までの罪は全て不問とする。
生きている仲間がいれば全て解放する。
手柄を挙げれば正式な領地を授ける。
忠誠も誓わなくて良い」
男は部下らしき男に合図するとトリートの縄を切らせた。
すかさずトリートはナイフを奪い、自らの左目を切りつけた。
一瞬身構えた男達は直ぐ様トリートを押さえつけ、
また縄で縛ろうとする。
トリート
「これが、この傷が証文代わりだ。
頼む。力を貸してくれ
足りぬのなら右目も差し出す」
男は鼻を膨らませトリートの残った右目を見つめた。
男は片手で目の前の大きなテーブルをひっくり返した。
それは大人の男四人係りで動く代物であった。
投げ出されたテーブルの後に男は膝を着くと頭を下げた。
男
「今まで権力者達は嫌いだった。王なら尚更だ!
だがあんたは違う。
一つ条件を替える。
その男っ振りに惚れたぞ、
忠誠を誓う!
我等ボルデアードの海賊は全てあんたに従う。
従わない奴は殺す!いいか!てめーらっ!」
海賊団
「おうっ!」
そして彼は目的の一つである町へとたどり着く。
幾度も野獣に襲われながら、危険な罠を抜け、
瀕死の状態で着いた町の門は強固に守られていた。
王子であるはずのトリートは布を被らされ両手を後ろに縛られ歩かされる。
耳に聞こえて来るのは酷い脅し文句と汚い笑い声だった。
布をとられた視界の先には顔中傷だらけの男が座っている。
毛が無い頭には刺青が入り、ニヤッと笑った口から覗くのはヤスリで削られた鮫のような歯だった。
トリート
「手を貸して欲しい」
トリートの第一声に男は驚き笑い出した。
男
「第一声がそれか?せっかちな野郎だな?
まあサプライズは嫌いじゃねーぜ?」
トリート
「時間が惜しい。
今までの罪は全て不問とする。
生きている仲間がいれば全て解放する。
手柄を挙げれば正式な領地を授ける。
忠誠も誓わなくて良い」
男は部下らしき男に合図するとトリートの縄を切らせた。
すかさずトリートはナイフを奪い、自らの左目を切りつけた。
一瞬身構えた男達は直ぐ様トリートを押さえつけ、
また縄で縛ろうとする。
トリート
「これが、この傷が証文代わりだ。
頼む。力を貸してくれ
足りぬのなら右目も差し出す」
男は鼻を膨らませトリートの残った右目を見つめた。
男は片手で目の前の大きなテーブルをひっくり返した。
それは大人の男四人係りで動く代物であった。
投げ出されたテーブルの後に男は膝を着くと頭を下げた。
男
「今まで権力者達は嫌いだった。王なら尚更だ!
だがあんたは違う。
一つ条件を替える。
その男っ振りに惚れたぞ、
忠誠を誓う!
我等ボルデアードの海賊は全てあんたに従う。
従わない奴は殺す!いいか!てめーらっ!」
海賊団
「おうっ!」