『華國ノ史』

国倒し

 西の関所は連日大騒ぎだった。

 トリートが駆け回り集った志願兵が日を追うごとに増えていったからである。


 中には盗賊も、今までは戦列に加わる事の無かった亜人、

 精霊もがトリートの元へとやって来る。


 カトリはそれぞれの要望、食料の配給等で大忙しであった。


クロネ(華龍王虎隊)
「ねえカトリ、喋る馬が槍を付けて欲しいだって。

 人は乗せたくないんっだって」

カトリ(華龍王虎隊)
「武器作るの得意だろ。

 頼むよクロネコ」


ミニッツ(華龍王虎隊)
「何回も契約に行ったのに断られた赤沼の大蛇まで来たぞ!」


セコン(華龍王虎隊)
「いきなり騎士団の馬をくっちまった」


カトリ
「羊にしてくれって頼んでよ。

 セブンのおやっさんがいっぱい連れて来てくれ奴」


エイブルス(華護義勇軍)
「おい、あの猫どもが俺のコボルトと小競り合いしてるんだが仲裁してくれ」


カトリ
「ケットシー族でしょ?じゃあコボルトは一旦あの優しい巨人族の所へ」


ジェノス(鉄鎖傭兵団)
「セブンの兄貴どもが部隊を連れて斥候にでちまった。

 どうせ戦ってるだろうからまた救援部隊を組織しなきゃやべーんじゃねーか」

カトリ
「またか!何度言えばわかるんだ!

 血の気が多すぎるぞ!」


サジ(フィナレ教会騎士団)
「おお、カトリどの、この機会に布教を広げたいのだが」

カトリ
「今はそれどころじゃない!

 またセブンの兄弟が敵を挑発しに行ったんだ。

 防衛の準備を…」

スピア(ボルト亡命軍)
「カトリさん!」

カトリ
「もう…駄目だ」

スピア
「援軍です!トリート王子が!

 それにセブンも!」

カトリ
「たっ助かった?」

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