『華國ノ史』
港街を後に、二人は北へ向かった。
いくつかの宿に泊まりセブンとピエロはその旅を楽しんだ。
「ちょうど明日は震える大地の月の15日で魔法適正試験があるから今日の夜に出発だ。
そうしたら次の日の朝にはいよいよ魔法都市『眠りドラゴン城』につくぞ」
「魔法適正試験って?」
「魔法が使えるか調べるんだよ、毎年二回あるぞ」
「へー受かるかな?」
「魔法を使えるという自覚がある人間は魔法適正試験はパス出来るし、
その後の能力診断、別名、脱力の洗礼を受ける事になる」
「何をするの?」
「何でも先に知ったら面白く無いだろ?」
「とっておきだね?」
「その通り、宝箱は開けるまでが楽しいんだ。
基本的に子供が多いから友達出来るぞ?」
二人は日が沈んでいく頃に馬車に乗り込み一路、北を目指した。
荷馬車の幌から差し込む朝日と共に目覚めると、
霧の奥には高い城が遠くからでも見れた。
華國で二番目に大きい都市であり、
魔法使いが生まれる場所は背の高い城壁に囲まれ、
赤地に金の刺繍がされた旗がいくつも舞っている。
広い盆地にそびえ立つ城塞都市は霧の中に忽然と浮かび魔法都市に相応しく幻想的であった。
巨大なゲートを潜ると一本の中央道が奥へと続いている。
中央道をずっと進むと周りの家よりも背の高い壁が見えた。
そこの先に魔法使い達が住む街の名の由来である大きな城がある。
朝早くだというのに門の前には1人の男が立っていた。
その男はボサボサのひげにオールバック、一見優しそうだが目の奥深くには厳しさが覗ける。
ピエロ
「どうもクラッシュ殿、朝早いですね?」
クラッシュ
「昨日は星がうるさくてな、今日は試験なので吉兆ならば良いと思っていたが」
ピエロにクラッシュと呼ばれた男がセブンを興味深そうに見た。
ピエロ
「吉兆ですよ、新しい魔法使いを連れてきましたから。
セブン、この人はこれからお前が学ぶ所の副校長さんだ」
セブン
「ふくこうちょう?」
ピエロ
「校長の次に偉い人だ」
セブン
「二番目の人」
クラッシュ
「ふーむ、言い方悪いね」
ピエロ
「悪意は無いんですよ。
俺の右目に誓ってね」
いくつかの宿に泊まりセブンとピエロはその旅を楽しんだ。
「ちょうど明日は震える大地の月の15日で魔法適正試験があるから今日の夜に出発だ。
そうしたら次の日の朝にはいよいよ魔法都市『眠りドラゴン城』につくぞ」
「魔法適正試験って?」
「魔法が使えるか調べるんだよ、毎年二回あるぞ」
「へー受かるかな?」
「魔法を使えるという自覚がある人間は魔法適正試験はパス出来るし、
その後の能力診断、別名、脱力の洗礼を受ける事になる」
「何をするの?」
「何でも先に知ったら面白く無いだろ?」
「とっておきだね?」
「その通り、宝箱は開けるまでが楽しいんだ。
基本的に子供が多いから友達出来るぞ?」
二人は日が沈んでいく頃に馬車に乗り込み一路、北を目指した。
荷馬車の幌から差し込む朝日と共に目覚めると、
霧の奥には高い城が遠くからでも見れた。
華國で二番目に大きい都市であり、
魔法使いが生まれる場所は背の高い城壁に囲まれ、
赤地に金の刺繍がされた旗がいくつも舞っている。
広い盆地にそびえ立つ城塞都市は霧の中に忽然と浮かび魔法都市に相応しく幻想的であった。
巨大なゲートを潜ると一本の中央道が奥へと続いている。
中央道をずっと進むと周りの家よりも背の高い壁が見えた。
そこの先に魔法使い達が住む街の名の由来である大きな城がある。
朝早くだというのに門の前には1人の男が立っていた。
その男はボサボサのひげにオールバック、一見優しそうだが目の奥深くには厳しさが覗ける。
ピエロ
「どうもクラッシュ殿、朝早いですね?」
クラッシュ
「昨日は星がうるさくてな、今日は試験なので吉兆ならば良いと思っていたが」
ピエロにクラッシュと呼ばれた男がセブンを興味深そうに見た。
ピエロ
「吉兆ですよ、新しい魔法使いを連れてきましたから。
セブン、この人はこれからお前が学ぶ所の副校長さんだ」
セブン
「ふくこうちょう?」
ピエロ
「校長の次に偉い人だ」
セブン
「二番目の人」
クラッシュ
「ふーむ、言い方悪いね」
ピエロ
「悪意は無いんですよ。
俺の右目に誓ってね」