『華國ノ史』
 リンスから受け取った血に汚れた国の旗は大勢の間を颯爽と通り抜けた。


 誰もが等しくその種族なりの敬意を示し、

 王子とそれに従う若き騎士を見た。

 
 皆は王子との再開を喜び、セブンを噂した。

 
 本営となっている西の関所の頂上からトリートはその軍を見下ろす。


セブン
「まるで昔話に出てくるような光景ですね」

トリート
「ああ、だが昔話にはさせないさ。

 必ず歴史書に刻み込む」

 
 その時、軍の幹部が二人を出迎えた。

カトリ
「全く、やっと借りていた物を返せるよ」

 
 カトリは塗り直した兜と鎧をトリートに、二振りの研がれた剣を新しい鞘と共にセブンに渡した。


トリート
「まだ来ていない者達もいるようだ」

ミニッツ
「まだ来るのか?」

セコンド
「俺達は前回少数だったからこれで普通なのかな?」

クロネ
「セブン、…ウルブスは?

 それにピエロがいないみたい」


セブン
「ウルブスは土魔法で奥さんのお墓と一緒にカピパラ寮に移したよ。

 
 あの銅像も一緒に。

 
 それに大好きだった花も植えてきた。

 
 ピエロはやりたい事があるって途中で別れたんだ 」


クロネ
「そう、必ずまた皆で」

エイブルス
「よおセブン!また強くなったんじゃねーか?

 オーラで分かる!」

ジェノス
「おい!邪魔してやんなよ。

 たくこれだから大男はなー」

サジ
「ふむ、スピアどの?」

スピア
「なっなんですか」

トリート
「モテるなセブン」

セブン
「確かに賑やかですね」

カトリ
「そういう意味じゃ、まあいいか!

 仕事だぞセブン」

セブン
「よし!」

 トリートが兜を被り、セブンが剣を抜くと大軍はそれに答え歓声を上げた。

セブン
「ところで兄さん達は?」
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