『華國ノ史』
 この眠りドラゴン城は魔法使いによって統治され半独立体制をとっている。


 魔法の資質があると認められた者は年齢が16になるまで、

 それを越える者は5年の間はここで魔法を学ぶ事になる。

 
 クラッシュはその見習い魔法使いの学舎の副校長であった。


クラッシュ
「ピエロ、お前が連れてくる子の名前を覚えるなんて珍しいな?」

ピエロ
「確かに」 

クラッシュ
「まずは挨拶からだな?セブン」

セブン
「こんにちわー」

ピエロ
「おいっ今はお早うございますだろ?」

セブン
「お早うございます」

クラッシュ
「ふふふ、暫く見んうちに感情が豊かになったじゃないか?

 教師でもやるか?」


ピエロ
「柄じゃないですね、じゃあセブンをお願いします」

クラッシュ
「もう行くのか?」

ピエロ
「ええ、新しい情報がちょっとヤバそうなんで」

セブン
「夕御飯までには帰る?」

ピエロ
「え?帰らないよ?当分は」

セブン
「え?なんで?

 置いていかないでよ、こんな所に1人ぼっちじゃやっていかれないよ」

 
 セブンはピエロに必死でしがみついた。

ピエロ
「いや、だってさー」

 ピエロは助けを求めてクラッシュを見た。


クラッシュ
「1人じゃないぞ?みんな家族だ」


セブン
「家族じゃない!

 ピエロは友達なんだ。

 ねえ友達でしょ?

 僕もないちょうになるから、連れてってよ」

 
 ピエロは胸が張り裂けそうになっていた。

 
 今までこんなにも純粋に自分を必要とされた事があっただろうか?


ピエロ
「ああ、友達さ、でも友達ってのは甘えるもんじゃない。

 助け合うものなんだ。

 セブン、ここで勉強して強くなったら俺を助けてくれるかい?」


 セブンは兄二人の「助けてやる」ということばを思い出し、ピエロの足から顔を離した。


セブン
「うん、助ける。

 友達だから」

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