『華國ノ史』

渡りゆく魂

 華國軍前線部隊はトリートの召集で幹部を集め軍事作戦会議を行った。


 煌皇国は戦力の殆どを帝都周辺に終結させているとの情報を掴んだ華國軍はそれを叩き、

 帝都を陥落せしめればこの戦いの終止符を打てると結論に至った。


 そこで軍を一度三分割させ、集結した後に帝都を目指すという作戦をとる。


 華國と煌皇国の兵力差は今や三倍であったのと、

 これは集まった大軍のどれか一勢力が掛けても残り二大勢力で帝都を落とせるとい算段であったからだ。



 第一団は大陸東にある華國艦隊を使い大陸南を目指す。


 第二団はカッツ率いる元煌皇艦隊で同じく南へ。


 第三団は少数精鋭で上陸支援を行う為、大陸の防衛拠点を突破していく。


 煌皇の南の港街から帝都までは2日の距離である。


 ボーワイルドはこれを必ず読んでいるだろうとの意見には皆が賛同した。


 兵力分散は各個撃破の対象となり、慣れぬ土地での戦闘では兵力の消耗は激しい。


 短期で最大兵力をぶつけるには煌皇が最早海戦抵抗の手段の無い海を行き、

 帝都に最も近いこの港街の奪取が必要であった。

 
 上陸の際には必ず反抗がある為に第三団の後方撹乱は必ず成功させねばならない。


 大陸の防衛拠点の突破、撹乱、上陸支援、更に煌皇の陸上軍に狙われる心配があった為、

 ゼレイドの空軍に抵抗出来る者を除く精鋭が集められた。


第一団
 指令官 華國王子 トリート
 指揮官 水晶山の魔女 キルキス
 指揮官 華龍王虎隊 カトリ
 指揮官 華龍王虎隊 クロネ
 
 
 弓兵を多く配し、華國正規兵の割合が高い為に規律がとれていた。


第二団
 指令官 海賊提督 カッツ
 指揮官 華國三賢 クラッシュ
 指揮官 ドラゴニュート ケイロン
 指揮官 華龍王虎隊 ミニッツ
 指揮官 華龍王虎隊 セコンド

 
 様々な兵種、種族で構成され、柔軟であるが起伏は激しい。
 それを補う為に指揮官以外にも魔法使いが多く配される。


第三団
 指令官 華國英雄 セブン
 烈風トールとその騎兵隊
 豪腕マッチョとその傭兵団
 狂戦士エイブルスと義勇軍精鋭
 二刀のジェノスと鉄鎖傭兵団
 女戦士スピアとボルト族
 聖騎士サジとフィナレ教会騎士団
 山脈の勇、レア率いる雪狼族
 トリート親衛隊と華國軍精鋭
 並びに精霊を含む抜擢者。

 第三団は異様であった。
 
 艦隊の指揮官を外した実力者を集め、一般兵ですら戦場で、

 少なくとも仲間には名の通る抜された猛者である。
 
 
 それを率いる部隊長は皆1人でも大功を成す者達であり、

 この第三団に選ばれた者は皆名誉に思い、最強を自負した。
 
 
 

 
 
 
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