『華國ノ史』
 商業連合の話ではセブンがいる場所より東に月の民が暮らしていた隠れ里があるという。

 そこは大陸の孤島とされ、誰も近付きたがらない忌々しい場所であった。


 切り立った崖の底に街が作られ、今では底へ向かう道は崩されていた。


 第一団、二団の報告によるとかなり合流までの期間に余裕があった。

 
 水晶山の魔女キルキスの約束と催促もあり、クラッシュとケイロンもこれを促した。


 そこに眠る秘宝は今後役に立つとの見解であったからだ。 

 
 煌皇八大秘宝
 「月の宝玉」

 第三団はそれを確保するべく東を目指す。


 鬱蒼とした森を抜けると眼前には茶色く、くすみ、焼け焦げた街が崖下に広がっている。


 その特殊な魔力を恐れた皇帝によって滅ぼされた街。

 
 煌皇国でもタブーとされた事件。

 
 今では悪魔が住む迷宮と呼ばれる街であった。
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